鈴木貫太郎 元首相がすすめた関宿町の酪農
関宿町は利根川と江戸川の間を指す古い地名。昭和天皇からの信頼を受けて太平洋戦争を終戦に導いた第42代 内閣総理大臣の鈴木貫太郎氏が、終戦後の1945年に故郷であった関宿町に戻り、農学塾を発足。河川敷の豊かな土地を活用して牧草地をつくったことにより、この地で酪農が発展していったようです。最盛期には200軒ほどあった酪農家さんは現在では15軒ほどになってしまいましたが、歴史を受け継ぎながら今もこの場所で酪農を続けられています。
知久牧場から徒歩3分ほどの、江戸川河川敷に面した牧草地。
牛舎の裏でのんびり過ごす牛たち
知久牧場は住宅街にありながら、牛舎の裏には放牧場があり、のんびり過ごす牛たちの姿が見られます。牛たちは牛舎と放牧場を自由に行き来し、好きな場所で休息します。また河川敷で自家栽培した牧草をたっぷり与え、飼料にも細やかに気を配っているため、健康で長生きする牛も多いのだそうです。
牛舎の出入り口を塞いで休んでいた牛さん!笑
くびをぐんと伸ばしてリラックスしていました^^
牧場のお母さん、久利子さんと、寄ってきた牛さんたち。
かわいい子牛たちも迎えてくれました。
せきやどミルクの美味しいアイスクリーム
知久牧場では通常は見学などを受け入れていませんが、お友だち主催の牧場見学会に参加させていただき、普段は立ち入り禁止の牛舎内やアイスクリームの工房にも入らせていただきました。ソフトクリームのマシンは、業界では有名なカルピジャーニ社製で、この型は日本に5台ほどしかなく、ソフトクリーム界のフェラーリとも言われているのだとか!
自分たちで巻いたソフトを試食させていただいたのですが、抽出する際に含ませる空気の量を調整することで、濃厚で滑らかな食感や、ふわふわの食感と、同じ中身なのに食感によって味まで変わったように感じるのが不思議でした。知久牧場の新鮮な生乳を使っていることもあり、すごくすごく美味しかったです。
製造を任されているパティシエの藤村さん。ソフトクリームの巻き具合がさすがでした!
夕焼けとともに赤く染まる牛舎に感動
夕方になると、窓から夕陽が差し込み、牛舎全体が赤く染まる様子がとても幻想的で綺麗でした。夕陽を浴びて輝く牛たちや、その中で作業をされる姿もまた素敵で、ドラマチックなロケーションに、夢中になってシャッターを切っていました。
夕日に照らされ、光る輪郭が美しかったです。
撮った写真をお見せすると「うちの牛舎、絵になるね」と久利子さん^^
久利子さんとは酪農関係のイベントなどで何度かお会いしたことはありましたが、今回ゆっくりお話しを聞かせていただき、牛がお好きなのがひしひしと感じられ、あたたかいお人柄にすっかりファンになりました。牛トークで盛り上がってとっても楽しい時間でした。4人の息子さんに、お孫さんもいらっしゃって、牛舎内を元気よく駆けまわるお孫さんと、静かに見守る牛たちの関係も素敵でした。
個人での見学受け入れはされていませんが、知久牧場のカップアイスは「農産物直売所ゆめあぐり野田」などでご購入いただけるようです。美味しいアイスを食べながら、写真の牛たちを思い浮かべていただけたら嬉しいです^^
また、知久牧場ファンの牛好き仲間さんが、不定期で見学ツアーなどをされています。目にされる機会がありましたらぜひ参加してみてください。
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※この記事は2023年11月に訪問した際の写真を元に作成しています。現在の牧場の様子とは違う場合がありますのであらかじめご了承ください。最新の情報は牧場の公式ホームページをご確認ください。