上野動物園|東京都台東区

日本の在来牛「見島牛」と「口之島牛」|上野動物園

日本の在来牛が揃った貴重な数年間

上野動物園に日本の在来牛がいたことをご存知でしょうか?? 在来牛とは古来より日本にいて、役牛として農耕などに利用され、その後も外国種と交雑せずに残ってきた牛です(黒毛和牛など「和牛」と呼ばれる牛は西洋種と掛けあわされた品種です)。純粋な日本在来牛は口之島牛・見島牛の2種のみで、その2種が数年間、上野動物園でともに暮らしていました。現在は2頭とも上野動物園にはいませんが、大切な記録としてご紹介させていただきます。

口之島牛(くちのしまうし)

口之島牛は、鹿児島県トカラ列島の口之島で放牧されていた牛が明治以前に野生化したものだそうです。体重が230~470kgと小柄なのが特徴です。

この子は2008年4月20日生まれの桜ちゃん。女の子です。名古屋大学大学院生命農学研究科の附属施設 設楽フィールド で生まれ、2008年10月末に、生後約6ヶ月で上野動物園へやってきました。その後、2016年に沖縄県に移動しています。現在の所在を確認できませんでしたが、今も元気に暮らしていてほしいです。

お腹の白い模様がとっても可愛いですね^^

見島牛(みしまうし)

見島牛は山口県萩市の見島で飼育されてきた日本在来牛です。こちらも小型で体重はメスで約250キロ、オスでも約480キロほどだそうです。

見島牛は室町時代に朝鮮半島から渡来した種がルーツとされ、見島牛の産地であり、日本海に浮かぶ離島の見島は1928年(昭和3年)に、「見島ウシ産地」として史跡名勝天然記念物に指定されています。見島で生まれた牛だけが「見島牛」となります。

ちなみに見島のカタチ、どことなく牛のカタチに見えませんか??

この子は2007年12月3日生まれの初春くん。男の子です。見島牛保存会の生産者さんの元で生まれ、2008年11月に上野動物園にやってきて以来、ずっと上野動物園で愛されて育ち、2021年3月22日に、13歳で永眠しました。

角がとっても立派です!!!

よっこいしょ、と座る初春くん。

とっても優しく穏やかな瞳です。

桜ちゃんを見つめる初春くん。

この当時、日本の在来牛がまさか東京の動物園に揃っているなんて!と、興奮したのを今でも懐かしく思い出します。老齢で闘病の末に心不全で他界した初春くん。今はお空の上でのんびり暮らしていてほしいです。

上野動物園
東京都台東区上野公園9-83
03-3828-5171
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno/
※2022年現在は牛は飼養されていません。

入園料(一般)600円(東京都外の中学生)200円(東京都在住・在学の中学生、小学生以下)無料。団体割引、年間パスポートあり。開園時間:9:30~17:00、月曜定休。

※この記事は2013年8月、2018年2月に訪問した際の写真を元に作成しています。最新の情報は動物園の公式ホームページにてご確認ください。

▼東京ズーネットの記事より
2頭でいれば怖くない(?)、口之島牛と見島牛

新型コロナウィルスの感染症対策として、体験等は中止されている場合があります。人数や時間など制限されている可能性もありますので、必ず事前に牧場の公式ホームページなどをご確認ください。1日も早くコロナがおさまり、皆さまが安心して牧場体験を楽しめますよう、心より願っています。

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