岩手県田野畑村で山地酪農を営むご家族の24年間を追ったドキュメンタリー映画《山懐に抱かれて》。ご縁があって、恐れながら私も牛写真家として応援メッセージを送らせていただき、パンフレットにもご掲載いただきました。
吉塚さんはご夫婦と5男2女の9人家族。圧倒的な存在感のお父さんと、前向きで明るく朗らかなお母さん。素直に健やかに育つ子供たち孫たち。一人一人がもう愛おしくてたまりません。
酪農の映画というと敷居が高くなるかもしれませんが、普通の、子を持つ親として見ても、学ぶべきところ、考えさせられるところも沢山あります。
上映のあとの監督と吉塚さんご夫婦のトークショーで、監督からお母さんへ「なぜ耐えられた?」の質問に、幼い頃のご自身の経験から、「家族で食卓を囲むこと」が夢となり、貧乏でもお父さんはそれを叶えてくれた。贅沢は出来なくても、自分も家族も元気だ、と、それだけで幸せじゃないかと仰るお母さんにまた涙が止まりませんでした。
本当に、沢山の方にこの素敵なご家族の人生を観て貰いたい。令和の時代を迎える今、平成の歴史のひとつとしてこの映画が世に残ることが何だか嬉しいです。映画を通して、何かを感じてもらえたらな、なんて思います。