いのちをうつす|牛版画家 冨田美穂さんの作品を観に


東京都美術館にて開催中の「いのちをうつす」展へ。

お友だちでもあり、とても好きで尊敬している牛版画家の冨田美穂さんの作品展示があり、また今日は冨田さんが動物解剖学の遠藤秀紀先生と対談されるということで、磯沼さんをお誘いして聴きに行ってきました。(上の写真は、右から墨絵画家の涌井陽一さん、高田、冨田美穂さん、磯沼牧場の磯沼正徳さんと、けいさん)

東京大学総合研究博物館教授である遠藤秀紀先生は、あらゆる動物の遺体を解剖してこられ、ジャイアントパンダに7本目の指があることを発見されたという動物解剖学のスペシャリスト!遠藤先生が書かれた「ウシの動物学」を読んで衝撃を受けたという冨田さんからのリクエストで実現されたおふたりの対談、すごくすごく面白かったです。

休憩後の後半は質問コーナーで、たくさんの質問があがりました。特に印象深かったのが、水族館で働いていらっしゃる方の、魚を「かわいい」と言う一方で、水槽を見ながら「おいしそう」という声も聞こえてくる矛盾との葛藤に対して、「かわいい」と思う気持ちと、「おいしそう」とか「かわいそう」と思う気持ちはどちらも大切で、どちらも一緒に持ってて良いと思いますよ。というお答えでした。

私もこのような仕事をしていて、牛をかわいいと大声で言いながら、お肉もいただきます。その時々で牛に対する感情に迷うことも確かにありますが、どの感情も切り捨てる必要はないのだと、これからも自信をもって発信していこうと思えた時間でした。貴重な機会に参加できたことに感謝です。


ギャラリーに展示されている冨田さんの作品。牛の毛の一本一本を削っていく作業は、愛がないととても出来ません。大きい作品だと仕上がるまでに半年かかることも。白と黒でこれだけ、体温すら感じさせるほどリアルに表現できる方は冨田さん以外にはいらっしゃらないのではと毎回思います。
毛の流れ方とか、血管とか、骨の動き、本当に細かいところまで描かれていて、牛が「生きている」ことを感じます。


冨田さんと、実物よりも大きい牛。この大きさを彫刻刀でひたすら削る作業は凄いとしか言いようがありません。。


パンフレットのメインビジュアルにもなっていた、写真家 今井壽惠(いまい ひさえ)さんのサラブレッドの写真。
先ほどのトークで、遠藤先生が解剖学においては写真は情報が多すぎてじゃまになると仰っていたのですが、こちらの写真を実際にギャラリーで拝見したときに、まさにこの情報の少なさ、シンプルな写りが、フィルムカメラの良さだなぁと感じました。ピントの柔らかさも、撮影者の馬への愛情を優しく表しているように思えます。


じっくり見ていたら、出る頃にはすっかり暗くなっていました。東京都美術館の入口にある球体。三日月と一緒に。


6名の作家さんによる「いのちをうつした」作品の数々。本当に素敵な展覧会でした。作品は2024年1月8日まで展示されていますので、たくさんの方にご覧になっていただきたいです。私は購入した画集をながめて、今日のこの幸せな時間を反芻したいと思います。


上野アーティストプロジェクト2023
いのちをうつす 〜 菌類、植物、動物、人間
11月16日(木)~2024年1月8日(月・祝)
東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
https://www.tobikan.jp/

冨田美穂さんホームページ
https://tomitamiho.com/ja/

 

 

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