牛が好き!

牛が好きというと、びっくりされることがよくあります。子どもたちの幼稚園や小学校などの、保護者が集まる場で自己紹介する際には、毎回「牛が好きで牧場めぐりが趣味です!」と言うのですが、え?と、教室がざわざわすることもあります。笑

「なんで!?」「どこが!?」と聞かれますが、何もかも、全部大好きです。

見た目でいうと、まず丸い大きな瞳が好きだし、きゅっと上がった口角も、パタパタとよく動く表情豊かな耳も好き。大きな身体で、人より少し体温が高くて、寄りかかっているととっても幸せです。

性格でいうと、一番好きなのは、ちょっぴりおばかで空気を読まない、マイペースなところです。いつでもどこでもお構いなしに糞尿をして、ゲップして、くちゃくちゃと反芻しながらぼーっとしている。空気を読まない、気を遣わない牛たちだから、自分自身も気を遣わず自然体でいられる。牛と、その周りの空気感がすごく好きです。

基本的にはぼーっとしているけれど、おとなしかったり、騒がしかったり、臆病だったり、ひょうきんだったり…しっかりと個性があって、愛情をかければ懐いてくれたりもします。

高校の時に、私は「かりん」という牛が生んだ子牛の哺乳を担当しました。「かりんは生みの親」で「私は育ての親」だったので、かりんに対しての感謝の気持ちや、思い入れも強く、ずっと愛情を持って接してきました。

かりんは初産で不安だったということもあるのでしょうが、なかなかの暴れん坊で、搾乳のときには色んな人を蹴っ飛ばしてきました。もちろん私も蹴っ飛ばされたのですが、それでもずっと変わらず可愛がり続けていて、高3のあるとき、牛舎の主の《おっちゃん》から、「かりんはお前にだけは懐いてるなー」と、嬉しいお言葉を頂きました。私にとっては何よりの褒め言葉というか、たった3年弱の経験ではありますが、それまでの、大変だったことが全て報われたように思えた瞬間でした。

牛は変に気を遣わないし、無駄に愛想を振り撒くこともない。だからこそ、「懐いてくれた」という事実が、ただまっすぐに、愛情に応えてくれたのだなと思えて嬉しかったのです。

牛は人間が生きるための資源となる動物ではありますが、それ以前に、ちゃんと心を持って生きている動物だと言うことを、私自身が忘れないために。またその魅力がたくさんの人に伝われば良いなと願いながら、これからも写真を撮り続けていきたいと思います。

牛との出会い(農業高校時代の牛との思い出)

共働学舎 新得農場 | 北海道上川郡新得町

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