「磯沼牧場カウボーイスクール体験記」は、東京都八王子市の磯沼牧場で行われている酪農体験教室「カウボーイ・カウガールスクール」に通う小学生の 息子 ”だいち” と、お友だちの ”けいたくん” との体験日記です。体験中の子どもたちの言葉などを拾って、息子の目線で綴っています。
《番外編》レバーをいただく会
※この記事は息子ではなく、母の目線で書いています。

カウボーイスクールとは別ですが、磯沼牧場で育てたジャージー牛のレバーを食べる会に、子どもたちと共に参加してきました。
息子は、お肉の塊を見て、初めにポツリ「かわいそう」と言いました。私自身も、高校時代に牛を好きになって、お肉を食べることについて葛藤した時期があったので、その気持ちはとてもよくわかります。そこで息子が食べない選択をするなら、その気持ちを尊重したいと思っていました。
ですがそのあと、息子が言った言葉は「ぼくの命を奪ったんだから、全部食べてね!!」でした。参加者みんなに聞こえるように、息子なりに牛の想いを感じて代弁したかのようでした。
高校時代に、私が何度も何度も何度も自問自答を繰り返して、悩みに悩んで出した「命を無駄にしたくない」という答えに、息子はこんなに早くたどり着いたのかと思うと感慨深く、涙が出そうになりました。
親がいくら口を酸っぱくして「食べ物を大切にしなさい」「残さず食べなさい」と言っても、頭で理解するのはなかなか難しい。でも!!子どもはちゃんと、自分自身で感じ取るチカラを持っているのだなと実感しました。食育を知識として学ぶことも大切ですが、まだ純粋な子どもだからこそ、身体で触れて感じることで得るものの方が大きのかもしれません。牧場での「体験」は人生の「経験」として子どもたちの心と身体に深く刻まれていくと思います。

磯沼さんのコメントの「人の細胞の記憶の中に牛の命が昇華してゆく」という言葉が、スッと心に沁み入りました。
今でもふと、お肉を食べるのを躊躇してしまう瞬間はあります。それでもやっぱり、大切に育てられた牛がお肉になって、もしもどこかで余って捨てられるようなことがあるくらいなら、全部自分が食べたい。そうして家畜たちの命が細胞の一部となるなら、自分自身が健康に、幸せに生きていくことが大切なのかなと思っています。
▼命をいただくということについての私の想いです

「牛が好き」というと、「お肉は食べないの!?」と聞かれることがあります。私はお肉をいただきますが、それとこれとは別でしょ、と、簡単に割り切っているわけではありません。 実際に、農業高校に入って牛を好きになったときには、牛を「可愛い」と言う一方で、お肉を食べるということについて葛藤した時期があ...
以下、「続きを読む」で当日の体験の模様をご覧いただけます。生のお肉の写真もありますので、それぞれのご判断にお任せします。
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